1)発明より発見  
 


まずは「発見」かなと思います。発見してから色々遊んでいると、発明になってゆくという感じが子供と一緒にやってて思います。最初から発明というとレベルが高そうですし、以外と発明の為の発明というようなパターンになってしまって、本人が思っているほど「用」を足さないケースになってしまうようです。
それからすると発見はほとんど拾い物をするような感覚と思います。
だから以外と拾った人は、その意味が分らない場合もあるのです。
そして子供はよく拾い物をするのです。親はちゃっかり それを「もの」にするのです。
どうですか?いいと思いませんか?

 

 
                  2)創造  
  デタラメも何度もやっている内にカタチが作られます。先にカタチがあるのを模倣
するには技術が入りますが、デタラメは技術自体も創造します。子供はとにかく
親からみてデタラメが好きです。カタチになっていないものはデタラメに見えるも
のです。若い頃はデタラメをやったなぁでは少々悲しいですよ。
創造力というのは 年相応に枯れないらしいですから、
まずは子供と一緒にデタラメを楽しみましょう。
 
                  3)プロダクト  
 
子ども会社とはいえ商品となるとハードルは一気に高くなります。発見や創造は夢見
心地のような所もありますが、製品化するとなるとぐっと大人の領分になりそうです。
しかし、ここが面白い商品になるかどうかの分れ道になるのです。大抵はここで、
お父さんお母さんはマジになってしまい子ども会社は消えてしまいます。
さてさて…
ここらで「子ども会社商品の定義」となりそうですが、例えばファミリーバンドを
作ってCDを作ったり、子供のアイデアで健康にいいお菓子を作っても
立派に子ども会社商品 です。
ようはモノを作るプロセスを子供にもちゃんと参加させ、子供が納得する事が
前提で商品化する事です。売る事を前提にモノを作りますが、
究極のお客さんは自分である事をお忘れなく。
お客さんの気持ちを持った「私」がまずゴーサインを
出せられるかどうかですね。

 
                  4)デザイン  
 
子どもはアイデアレベルで時々天才になりますが、デザインセンスも抜群なのです。
但し、大人でも同様ですが、情報社会で生きていますから外の影響を相当受けています。
ここの所をうまくディレクションしないと本来のカタチが表現されません。
デザインのディレクションは、もし得意でなかったら外部にお願いした方がいいでしょう。
現在、デジタルグラフィック環境がどの地域でも整っていますので親しい人を通じたり、身近にいなくても大抵のデザイナーはこのプロジェクトには参加されると確信しています。
ハルカーファミリーはたまたま私がデザイナーでしたが、
子どもと組んで商品化する計画だったら色んな人が参加したがるでしょう。



 
                   5)市 場  
 
私はペット専門メーカーの方に尋ねた事があります。
「このペーパースコップはどの程度の市場があるんでしょうか?」
「多分風船みたいなものでしょうね」
「えっ?風船とは?」
「膨らます事が出来なければゼロ、
それを膨らますのがハルカファミリーさんですよ」
という答えが返ってきました。
市場にあふれるモノも最初は誰かが風船膨らまして「市場」を創ったのです。
その風船が大きいか小さいか別として。

オリジナル商品は誰も作っていないという点でオンリーワン
誰にでも真似できないという特典が与えられていますが、
「市場」からみたらペシャンコ風船と同じなのです。
自分達で膨らまさないかぎりはゼロ。
オール・オア・ナッシング



   
 
  6)販 売     
 


「そんなのスーパーのタダ袋で十分、いくら環境に良いといってもフンを処理するのに
お金を払う愛犬家はいないと思うよ」というのがシビアなリサーチでの意見。
お金だして買う人もいるだろうけど、それはほんの一部というのが市場予測。
だから販売方針は、相手から取引願いがある場合を除き
こちらから流通業への営業はしない事にしました。
但し、自治体等の公的機関に対してはいくらでも営業しようという事で。
何故なら「環境商品の普及は公共事業」でもあるからです。
勿論それはハルカファミリーの直接販売のみです。
結果、おかげ様で2004年度時点で自治体への納入実績は全国330箇所を越えました。
決して大きくはありませんが風船は膨らんだのです。

子ども商品だから買ってくれるだろうなんて甘〜い考えは
流通業の世界では通用しません。
だからといって「遊び」を忘れマジになり
販売は遊びでやるもんじゃないなんてシャレになりません。
ハルカファミリーはもう6年以上遊んで楽しみながら製造・販売していますよ。